
大切な人がうつ病になってしまったら、どのように接すればいいのか悩む人が多いと思います。一般に「うつ病に”がんばれ”は禁句」などと言われていますが、本当に禁句なのでしょうか。ここでは、大切な人がうつ病になったときどのように接すれば良いのか悩む人に向けて、少しだけアドバイスをしたいと思います。
がんばれは禁句?大切な人がうつになったときの接し方
この記事のもくじ
大切な人がうつ病になってしまったら
恋人や家族、友達や会社の同僚がうつ病になってしまったら、
あなたはどうしますか?
「おまえの心は弱い!」と叱咤しますか?
それとも「そんなのは気のせいだから、遊びに行こう」と誘いますか?
実は、どちらもあまり望ましい対応ではありません。
うつ病になるのは、心が弱いからではありません。
うつ病になってしまうような人は、
真面目で人一倍頑張る、責任感の強い人
であることが多いと言われています。
その人を責めるのは、うつを悪化させこそすれど、
決して回復にはつながりません。
また、人が変わってしまったと突き放すのもよくありません。
人が変わったように見えるのは、
うつ病になってしまったからです。
適切な治療でうつ病がよくなれば、
次第にあなたが知っている素晴らしい人へと戻っていきます。
また、うつ病になったからといって、
無理に気分転換に連れ出すことも避けてください。
患者さん本人は、今とてもエネルギーが無い状態です。
いつもなら楽しいことでも、ちっとも楽しく感じられません。
無理に外に連れ出そうとせず、ゆっくり休ませてあげることが回復を助けます。
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うつ病について知ろう
心の風邪と言われ、一般的になってきたうつ病ですが、
まだまだ誤解されたところが多いのも事実です。
心が弱いからうつ病になるとか、
うつ病になると治らないとか、
誤った情報が患者さんを苦しめている部分も少なくありません。
うつ病は、ストレスによって引き起こされる疾患です。
気分がひどく落ち込んだり、食欲が無くなったり、
眠れなくなったり、死んでしまいたいという思いが出てきたりします。
症状は人それぞれです。
大切な人がうつ病になってしまった場合でも、
うつ病患者としてではなくかけがえのない大切な人として接してください。
うつ病からの回復には十分な休養が必要です。
接し方①周囲の人ができる2つのこと
うつ病の人と接する時に心がけたいことがあります。
一つは聞き上手になることです。
感情的にならないように気を付けながら、
冷静に共感と理解を示しましょう。
ただし感情移入しすぎないように注意しましょう。
うつ病の人の感情に巻き込まれると、
今度は自分が疲弊してしまいます。
適度な距離を保ちながら、愛情深く、根気強く接してください。
うつ病の回復には、長い時間がかかります。
もう一つは、ダメな部分に目を向けるのではなく、
良い部分に目を向けるようすることです。
うつ病の人は、自分自身をひどく責めています。
仕事ができない、朝起きることができない、
食欲が無い、人に迷惑を掛けている……
こんな自分はなんてダメな人間なんだろうと思っていることが少なくないのです。
是非、その人の良いところに目を向けて、
言葉に出して感謝を伝えてください。
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接し方②言葉にして伝えよう
うつ病の人に叱咤激励は禁物です。
患者さんを追い込む結果になることも珍しくありません。
言葉を掛けるときは、不安を和らげ、希望を感じさせるような言葉を掛けてあげてください。
そして、焦りや不安は禁物なこと、きっとうつ病は治ること、
そのためには十分な休養が必要なことを伝えてください。
離婚や退職・退学などの重大な決定をしようとしていたら、
延期するように説得しましょう。
うつ病の際に大きな決定をしてしまうと、後になって後悔することがあります。
冷静な周りの方ができる大きなサポートの一つです。
接し方③叱咤激励は少しだけお休み
「がんばれ!」とか「君ならできる!」
といった言葉を掛けたくなることもあるでしょう。
でも、それは患者さんにとってプレッシャーにしかなりません。
もともと真面目で責任感の強い努力家です。
周囲の期待に応えようと頑張りすぎた結果が、うつ病になって現れています。
怠けているように見えるかもしれませんが、
本人にとってはそれが精一杯であることを理解してください。
叱咤激励したくなる気持ちもわかりますが、
患者さんのことを思うなら、ぐっと我慢することが回復を助けます。
「がんばれ!」や「何をやっているんだ!」
という言葉より、
「大丈夫だから、安心してゆっくり休もう」
とか
「君はよく頑張ったね。すごいよ」
という言葉を掛けてあげてください。
この記事のポイントまとめ

うつの本当の気持ちは、実際になったことがないとわからないと言われています。でも、事前に自分のできる事を知り、正しい接し方をすれば相手の役に立つことは十分可能だと思います。偏見の目を持たず、1人の人間として接していきたいと感じました。
- うつ病の人に叱咤激励は禁物
- 安心させる言葉がけを
- 適度な距離をもって接しよう
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